それから睦月の事が気になって仕方がない俺は、横にいた女には目もくれないでひたすら睦月にメールを送った。


『今どこ?』『あの男誰だよ?』『明日は一緒に帰ろう?』


勿論電話もした。



けど、睦月から返事が返ってくることはなくて。



じりじりしながら次の日学校に行くと、朝一番で「話しがある」と睦月に伝えた。




そして昼休み。



話をしようと思ってたのに。



『あの男は、誰?』

『もう遊ばないから、これからはずっと一緒にいてくれよ』


そう言いたかったのに。





そんな俺を、嘲笑うかのように睦月は言った。




「あたしだけを見てくれる人の為に綺麗になりたい!あんたはこうしてあたしを惨めにしてただけ。あたしはこれからだって、もっとその人と釣り合うようになりたいんだから邪魔しないでよ!」



違う。


昨日の睦月は、もっと可愛い顔してた。


今の睦月は、悲しみと怒りで、真っ赤になって震えている。




睦月にこんな顔をさせたのは、俺。





そして、夢見るような顔を睦月にさせてたのは、俺じゃない『誰か』。





徹底的に打ちのめされた。