それからの私は猛ダッシュした。

あーもう!間に合うかなー...

ひたすら走っていると、前方に同じ制服発見!

あれ…まだ大丈夫なのかな?

ずいぶんとノロノロ歩いてるけど...

そういえば入学式何時からだったっけ?

中学の時の勢いで、いつもの時間に出てき

ちゃったけど…。

もー!お母さん肝心なこと話してくんないん

だからー!

…ちょっと聞いちゃおっかな?

前歩いてる男の子、制服新しいしきっと一年生

だろうし。

私は走るスピードを少し上げ、男の子に近づ

いた。

「あ、あのー...すいません!」

声をかけると、顔だけをこちらに向け、

「何?」

と低い声で、歩く足は止めずに答えた。

怖っ!!

「あ、えーと…若宮高校の方…ですよね?」

「見りゃわかんだろ」

「あ…で、ですよね~…」

感じ悪!!

「で、何か用?」

あ、そうだった!

肝心なこと忘れるとこだったよ…。

「入学式って何時からか分かりますか?」

すごいアホみたいな質問。

我ながら呆れる…笑

「は?入学式なんかとっくに始まってんじゃねーの?」

え……?!

「は、始まってるー?!」

ヤバいヤバい!!

入学そうそう遅刻だよー!

「あ、ありがとうございました!」

お礼を忘れずに言い放ち、また猛ダッシュで学

校を目指した。





やっと正門の前。

ふぅ…さすがに朝ろくに食べないとキツいな。

…てか…あれ?みんなゆーっくり登校してませ

んか?

気になって正門の近くにいる先生らしき人に聞

いてみる。

すると…

「入学式まで、後20分もあるぞ?何を勘違いしてるのかね、一年生。」

え…なんだそりゃ。

じゃあさっきの男の子が言ってたのは…

嘘?

からかわれただけー?!

いやいや、会ったばかりの人をそんな風に決め

つけるなんてよくないぞ夏目!!

あの人だってわかんなかったのよきっと

うん!!

勝手に納得し、体育館の方まで足を進めた。

あと20分か~…

ちょっと学校の中探検してみよっかな?