学校が終わると、あたしは海に、『バイバイ』も言わずに教室を出た。

罪悪感があたしの中で、ぐるぐる渦巻いて、海と向き合う勇気が無かったんだ…


もちろん和樹と渉も、避けていた。

和樹は、何度か話しかけてきたけど、何かと理由をつけて、逃げた。



昨日の事が、あたしの心を弱く弱くしていく。

不安が募り、泣きそうになる。


今日の事も、あたしの心を闇に深く染めていく。

嘘が膨らみ、自分が嫌になる。




最近のあたしって、なんか…あたしらしくない。

いっつも、こんなこと考えてて、ネガティブ…


しっかりしなきゃ!

今からあいつに会いに行くんだから!

心して行かなきゃ!



腕時計を見ると、5時10分。

良い時間だ。