もちろんウソ。

あたしってばチョー演技派!

いかにも息切らして必死に走って来ました、って感じの表情を見せる。


あたしの演技に騙されて、金井はまんまと引っ掛かった。



「なんだって!?ホントかよ!やべぇ…、逃げねぇと!!」



そう言って、慌ててあたしのいるドアの方に来た。


予想通りの行動。


すかさずあたしは、ドアを塞ぐ。



「なんだよ!?どけ!!!」


「待って!こっちはまずいよ!あたし抜け道しってるから!!」


「本当か!?はやく案内しろ!」



人間っていう生き物は、焦ると頭が上手く働かなくなるみたい。

どっかの脳化学者も、そんなことを言っていた。


冷静に考えてみれば、あたしがどれだけ怪しいかわかったはず。

なのに金井は、あたしを信じてついて来た。



「こっち!ここだよ。この倉庫に隠れてれば大丈夫!もう使われてないから。」



順調、順調。

使われていない倉庫への案内が完了した。


さあ、次のプランだ。