その囁くような声は
吐息とともに、あたしの耳をくすぐった。
顔が熱くなる。
「あの!えとね……!話しがあるの」
恥ずかしさのあまり
思わず耳を抑えてうつむいてしまった。
「話しがあるそうなので、ちょっと返してね」
瞬はそう言って、
中津くんの手を離させると、
同じ部分を自分の手で優しくつかむ。
「でも、実行委員だぜ?」
中津くんは集まる教室の方向を指差す。
「先に行っとけよ。めいがおれに話しがあるだけだから」
わざと〝めい〟と強調されてドキッとする。
「分かったよー。綾瀬ちゃん、遅れるなよー?」
そう言って先に行ってくれた中津くん。
家のことだから2人きりじゃないと喋れない。


