「じゃあね…。お邪魔しました」
「また、いつでも来ていいから」
瞬が出て行こうとするお母さんに、そう言った。
するとお母さんは笑って
「また来るわ。でも、いつかちゃんと、2人の本当の家に行かせてね?」
「んー、まぁあと10年後くらいまでには頑張るよ」
「あら、楽しみね。めいちゃん、瞬をよろしくね?じゃあ、さよなら」
「さっ!さよならっ!!」
パタンっとドアが閉まった。
瞬が寂しそうにドアを見つめていたから、
あたしは瞬の腕をギュッとした。
「ははっ。何?」
「瞬、好きだよ」
「知ってる」
「瞬は?」
「今日ので、めっちゃ惚れ直した」
そう言ってくれたから
ちょっと涙目の瞬を
見なかったことにしてあげた。


