「最初は、日本で仕事をしてたの…。でもある日思ったの。私は、私の作った家をいろんなところへ残したい。
そして、私が生きた証を残したいって」
この嬉しそうな微笑みは、
先生になると言っていた瞬に似ていた。
「…建築家…か…」
「こんな私の話でも、少しは役に立てれたら嬉しいな…」
そう言って焼きあがったハンバーグを皿に盛り付けるお母さん。
「ただいまー」
そんなとき、玄関からタイミングよく瞬の声が聞こえた。
「あっ!帰ってきました!」
「食べてくれるかな…」
「大丈夫です!あたしに任せて下さい!!」
「ふふっ。頼もしいわ」
お皿を食卓に運んだ。
瞬がそこに顔をだす。


