「じゃあ、作ってみようかな…。瞬のために、親らしいことをさせてもらうわ」
そう決心したみたい。
そしてあたし達は買い物をして
家に帰ってきた。
瞬は遅くなるって言ってたので
今はお母さんと2人。
ハンバーグを作りながら話をしていた。
「めいちゃんは将来の夢、決まってないのよね?」
「はい…。あたし、特になんの取り柄もなくって…。料理とか好きだけど…。これは仕事にはしたくないんです」
仕事にしちゃうと、責任とかもでてくるし…。
料理は好きな人のために作ったりとか
そういうのがいいんだ。
「…そうなんだ。めいちゃんのご飯おいしいものね?瞬のためにいつも作ってくれて、ありがとう…」
「いっ…いえ!そんな!!…お母さんは、なんの仕事されてるんですか!?」
照れ隠しに話を変えた。
「ふふっ…。私はね、建築家…」
「…建築家?」
「そう。家族が住むための家を設計するの…。私の作ったその家が、温かい家になるようにって」
「…すごい」
素敵なお仕事だなって思った。


