「じゃあ、今から親らしいことしてみせんか?」
「えっ?」
あたしの提案にお母さんは驚いていた。
当然だよね。
でも、こんなに想いを伝えるのが不器用なお母さんを
純粋に手助けしたいと思った。
だって、伝えるのが不器用なとこ
瞬に似てるんだもん。
「一緒に、瞬の大好きなハンバーグ作りませんか!?」
「…ハンバーグ?」
「そうなんです!瞬、ハンバーグ食べたらすっごく笑顔になるんですよ!!」
「ハンバーグが好きなんて…子供ね」
「そんな瞬の子供な一面、見てください!」
「私なんかが作ったの…食べてくれないわよ…」
「食べます!食べなかったら食べさせるまでです!!!」
あたしは息を荒げてそう言った。
「………。ふふっ。変な子…」
キョトンとした顔のあとに頬が緩んでいるお母さん。
なんか、変な子って言われちゃった…。


