振り返って見ると
「あっ!!瞬のお母さん!」
瞬のお母さんが分厚い本を持ちながら
こちらへやって来た。
「こんなところで偶然ね?何してるの?」
「えっ…?あっ…。将来のことで今、考えてて…」
「…なるほどね。将来の夢かぁ」
そっか。
瞬のお母さんちょっと間帰らないって言ってたもんね。
まさかこんなところで会うなんて思ってもみなかったけど…。
「瞬は…夢とかあるのかしら?」
お母さんはそんなこと聞いて来た。
こんな優しい顔をしたお母さんが
自分の名誉のために海外に連れて行こうとするなんて…
考え難いんだけどな…。
「憧れの先生がいるらしくて…。その人みたいになりたいって言ってました」
あたしは瞬の夢を教えた。