「うん!聞きたい…!」
そう言うと、瞬はムクッと起き上がる。
撫でていた手は掴まれた。
「俺…千鶴みたいな教師になりたいって思った。人のために…頑張れるような…。それが俺の夢…」
初めて聞かされた瞬の夢の話。
でも、なぜだか先生って仕事、瞬にぴったりな気がする。
だから…
「瞬ならきっとなれるよ」
確信もないのに、
でもまっすぐに瞬を見て言えた。
「うん。なるよ…。んで、伝えていきたい。人はこんなに幸せになれるってこと。楽しいこととか…。俺が経験したこと全てを…」
あまりにも楽しそうに将来を語るもんだから
「瞬の生徒になってみたかったなぁ…」
素直にそう思えた。
「それはだめ。めいにはずっと俺の隣で支えてもらわなきゃなんねーから」
掴まれていた手は、
いつのまにかお互いがギュッと握っていて。
瞬の言葉に思わず照れてしまう。
それって…そういう意味だよね?


