「んじゃ、荷物まとめるか」


「あの、えと…神谷 瞬!!」


私は大声で叫ぶように目の前にいる彼に呼びかける。


「なんだよ?つか、フルネーム?」


「本当にありがとう。あたし、家なかったらきっと転校しなきゃならなかった。だから、本当にありがとう」


「何度も聞いたよ。どういたしまして」


「でも、えと…やっぱり一応、男女だから…えっと…」



「俺は色気のあるやつしか手ださねーよ」


「あ、そっか!っておい!あたしはないんかい!」



「ふっ!ははっ…!」



口元を手の甲でおさえて笑ってる神谷 瞬。

こんな無邪気な姿は初めて。

それでもやっぱりかっこいい。