「ちょっと!瞬っ!…あっ!」
瞬の腕が、あたしの腰にまわされて
すごくくすぐったくて、
目をギュッとつむった。
後頭部に瞬の手がきて、
グイッとそのまま瞬の胸板に引き寄せられた。
近すぎて
あたしきっと、顔が真っ赤…。
「ははっ、めいの心臓の音…早い」
「へっ…?」
「分かんねーの?お前の胸当たってる。心臓の音…分かる」
あたしの体は瞬にぴったりとくっついているから
こんな密着状態じゃ、
確かに聞こえるかもしれない。
「お前も聞こえない?俺の」
瞬の胸板に顔をうずめていたけれど、
その言葉に、あたしは耳を近づけた。
トクトクトク…っと
少し早い心臓の音…。
「あっ…。瞬も早い」
「同じだよ」
瞬が微笑むものだから、
あたしも笑みがこぼれてしまった。
放課後の秘密の保健室で。