「…瞬と2人暮らしなんて、大変でしょ?」
………。
へっ?
「あっ、ごめん。瞬から聞いたんだ」
「….そっか!」
なるほどね。
瞬、五十嵐くんに話してくれたんだ。
あたしのこと、他の人に…。
「あいつさ…好きな人には一生懸命なんだけど、園田先生としかまともに付き合ってないから…不器用で分かりにくいと思う…」
「えっ?」
「でも、本当に綾瀬のこと好きだから、ちょっと無理したり、意地張ったりするかもだけど…。いい奴だから。あいつのこと幸せにしてやって」
瞬がいい人なんて知ってる。
この人は、本当に瞬のことを分かってるんだな。
「うん!」
力強く返事をすると、安心したように笑って…。
「綾瀬といるときの瞬は、ほんとに楽しそうなんだよ。ありがとう。じゃあね」
そう言って、手を振って教室を出て行った。


