「他にいいとこないんですか?」
だんまりだった神谷 瞬が口を開く。
「ん〜。少し時間が必要になりますね」
「それはどのくらいですか?」
「1ヶ月あれば…なんとか空き室がでるかもしれません。明確ではないですが…」
「わかりました」
1ヶ月…。
その間あたしは家がないの?
お父さん達に言ったら連れて行かれる。
そしたら今の高校にいられない。
紗希ちゃん達に泊めてもらう?
うんうん。そんな迷惑なことできない。
「えーっと、綾瀬 めい。だよな」
「え?」
神谷 瞬があたしの名前を呼んだ。
「1ヶ月だけ、我慢できねーの?新しい家見つかるまで」
「………」


