ずりー。


「好きだから…もう、どこにも行かないでっ…」


そう言って涙を流して目を閉じるめい。

その涙を指で拭った。



すると、すぐに寝息が聞こえ始めた。


「なんだよ。んなこと言われたら、どこにも行けねーじゃん」


俺はめいの寝顔を見ながら、起こさないように静かに手を握った。




熱に弱っためいは、


今俺に、全ての本音を言ってくれたんだろうか?


「ありがとう。ごめんな、待たせて」


…。

熱い体を触ってみると、



こんなに小さな女に、

俺はいっぱい無理させてきたのかと思う。