「おい!めい!!しっかりしろ!」


瞬があたしの額に手を当てる。


その手は冷たくて心地いい。



「あつっ!お前、さっきより熱上がってるんじゃね?」



「へへっ。瞬の手…気持ちいぃ」


「何言ってんだよ?待ってろ、今氷枕取ってくるから」


瞬が立ち上がる。


あたしから離れていく。


また、どこかへ行ってしまうの?


「…行かないで」


「えっ?」


「瞬の…バカ。あたしのこと、ずっと置いて行って…」


「ただ氷枕取ってくるだけだよ」


あれ?瞬がかすんで見える。


「ずっと…行かないでって思ってたのに…。瞬は、千鶴さんに会いに行っちゃうし…」


意識がもうろうとしてきた。


「…めい?」


「いなくなるんじゃないかと思って、ずっと不安だったんだからね…」


なんだろう、熱で弱ってるからかな…。


今、あたしの素直な気持ちがでてくる。