電話をピッと切ると
「今からくるって」
と、ひとこと残して神谷 瞬は自分の荷物をおろした。
「ありがとう…。あたし、知り合いじゃなかったらテンパってたと思う」
「それは誰でもじゃない?」
ほんとに今だけは、
この人で良かった。
いや、良くないけど!
「どうなるんだろ…?あたしが出ていかないとだめなの?」
不安になりながらポツリとつぶやく。
親に無理を言って、
わがまま言って1人暮らしをすることになったのに。
早速迷惑かけちゃったら
もしかしたら転校しなくちゃいけなくなるかもしれない。
嫌だ.…。
「土地は俺のもんだからな。お前が出て行く側だろーな…」
「そんな…」
そんなのって…。


