「めい。お父さんな、仕事の都合で転勤しなきゃいけなくなった」 口いっぱいに頬ばってたオムライスの味が急にしなる。 それはお父さんが発した言葉が、あたしの思考を支配したから。 「えっ?」 聞き間違いかと思った。 「ごめんな。めい。引っ越ししなきゃいけない」 お母さんがあたしの大好きなオムライスを作った理由がわかった気がした。 「めい…また今度、先生には私からお話するから」 お母さんもゆっくりと口を開く。