何を誰に言ったのか、
夢と現実の間が分からないまま、
あたしはもう一度深い眠りに落ちた。
「…なんで、このタイミングでそんなこと言うんだよ…」
瞬の声が耳もとで聞こえる。
「俺もお前が、中津に取られそうで焦ったっつーの…」
瞬は笑ってる??
なんでそんなに悲しそうなの?
どこかへ行くの?
「どこにも行かないで…」
「!!?…なんだ、寝言か」
瞬、好きだよ。
「どこにも行かないよ。でも、お前の気持ちにこたえられない。…俺も好きなのにな…」
夢の中の彼は
確かにあたしの近くにいるのに
すごく苦しそうな顔をしてた。