「おとなしくしとけよ…。じゃあ光輝。悪いけど別行動な」
うぅ…意識が遠のく。
「分かった♪先生には伝えとくよ」
「サンキュー」
瞬と五十嵐くんの会話がうつろに聞こえる。
あたしはこの安心できる温もりを感じながら、ゆっくりと目を閉じた。
「綾瀬、寝ちゃったね?気持ち良さそう」
「ほんとに、どこでも寝れるんだな」
「…瞬。昨日の園田との約束どーすんの?お前、その子が好きなんだろ?一緒にいるときのお前、いつも楽しそう」
「………」
「瞬は、もっと自分の気持ちに素直になっていいよ。我慢なんてしなくていい。あまり1人で背負いこむなよ…?」
「………もう約束しちまったからな」
「それでも綾瀬をほっとけなかったのは、お前の気持ちは変わってないってことだろ…?」
「………そうだな。もうこれもやめにしないと」
「瞬…」
「ごめんな。ありがとう」
…これは、夢?
瞬がすごく悲しい顔をしてる。
あたしの好きな笑顔を見せてくれない。
背を向けて、どこかへ行ってしまう。
やだ。
待って、行かないで!


