瞬を見たとたん、紗希ちゃんの顔は沈んでしまう。



「あ、みんな揃ったね!」

あたしはわざと明るくしてみせた。



「揃ったんだったらバス乗ろうぜー!」


中津くんの発言に


「おっ!おーう!!」

あたしも笑って合わせる。



「俺は瞬とバス隣だよな?」


「うん」


五十嵐くんと瞬がそんな会話をしていて



「あたし、望美が班で1人余ってるから一緒乗ることになってるけど、めいは…」


紗希ちゃんはあたしに言ってきた。


「あっ、あたしはさっき…」


「先生に、実行委員2人はなんかあったときのために2人で乗れって言われたんだよなぁ!!♪」


ギュッとあたしを後ろから抱きしめてきた中津くんの言葉によって、

あたしの言葉は遮られた。