好きになった人、愛した人。

誰が株をあげてほしいなんて頼んだのよ。


そう思いながら、バッグの中から問題集を取り出す。


「で? なんでこんな時間に来たんだよ」


問題集を開こうとした手が、止まった。


やっぱり、そこを突っ込んでくるか。


「なんとなく」


「嘘付け」


「嘘じゃないし」