好きになった人、愛した人。

すると奈生は爽やかな笑顔をうかべて


「僕、チハヤ先生に会えるのがとっても楽しみなんだよ。パパ」

と、言ったのだ。


『僕』!?


あたしはそのセリフに目を丸くする。


「チハヤ先生は教えるのもすごく上手で、高校3年レベルの問題も解けるようになったんだ」


「それはすごいな。さすが、有生が優秀な成績を収めていた友達だって自慢してただけあるな」


「そうなんだ。それに、僕のわがままを聞いてくれて肖像画も描かせてもらったよ」


「あぁ、あれは綺麗な絵だな。チハヤちゃんの可愛さがよく伝わってくる」