「本当に?」


年齢的に言えば、奈生は高校1年生だ。


しかも学校には通っていないのだから、初歩から教えるつもりだった。


「俺、勉強好きなんだ。その問題集なら、半年前全部解いたことがある」


「へぇ……?」


奈生が嘘をついているようには見えなかったが、あたしは問題集の中で一番難しいページを開き、ベッドサイドテーブルに置いた。


「やってみて」


自分のペンを差し出すと、奈生は無言のままそれを受け取り問題に目を通し始めた。