「同情なんていらねぇんだっつたろ!?」


「誰が誰に同情してるの? あたしは給料が欲しいだけよ」


淡々と質問に答えながら、あたしは高校1年生向けの問題集を取り出した。


ここへ来る前、本屋へ寄って一冊買ってきたのだ。


「勉強、どこまでならわかるの?」


「……」


「答えてくれないと、授業できないけど?」


「……高校2年レベルまでなら」


その言葉に、あたしは問題集から視線をあげた。