好きになった人、愛した人。

主祭壇の前であたしと奈生は手を握り合っていた。


目の前にはさっきの神父さん。


「申し訳ありませんが、今日は突然のことでなにも用意ができていません。

しかし、おふたりの門出を祝って少しは神父らしい振る舞いだけでもさせていただければ、幸いです」


冗談っぽくそういう神父に、笑いがおこる。


「指輪もない結婚式なので、こちらを用意いたしました」


神父さんがそう言って取り出したのは……婚姻届!!


「今日は、これにサインをいただくことで、指輪交換をしたということにします」