好きになった人、愛した人。

伯父さんは一旦腰をうかせて椅子に座りなおし、そして


「いいだろう」


と、低い声で言った。


あたしと奈生は目を見かわせ、同時に抱きしめあう。


「おめでとう!」


「おめでとうチハヤ!」


「おめでとう奈生!」


みんなの声が、あたしたちを包み込む。


伯父さんは少し鼻をすすりあげて、泣きそうなのを我慢するようにそっぽをむいてしまった。


「伯父さん叔母さん、今まで育ててくれてありがとう。太一、あたしたち、ずっと兄妹だからね?」


歓声でかき消されないように、大きな声でそう言った。


そして……。


ドレスもタキシードもブーケもネクタイも指輪もない結婚式がはじまった……。