12月9日の午前10時。


あたしはキャリーケースを引きながら、空港の中にいた。


あたしの周りには、大学の同級生、講師が数人取り囲んでいる。


「チハヤ、ついたら手紙送ってね!」


「あたしの分まで、頑張ってきてね!」


「絶対、成功するんだよ!?」


次々と浴びせられる声援に、あたしは何度も頷いた。


一緒にコンテストに出場して敗退してしまった子も、目に涙を浮かべながら応援してくれた。