その日、大学が終わるとあたしは真っ直ぐ家に帰ってきていた。


結局昨日帰らなかったから、きっと叔父さん叔母さんが心配している。


「ただいま」


玄関を開けると同時に息が切れた声でそう言った。


「おかえり!」


すると叔母さんが嬉しそうな表情で勢いよくリビングから出てきた。


その手には、雑誌が一冊握られている。


あたしは、早くみんなにコンテスト出場に選ばれたという事を報告したいという気持ちを抑えて、「どうしたの?」と、訊ねた。