「あたしなんかが、出れるんですか?」


「もちろんよ。最近のあなたの作品、すごくいいわよ」


思ってもいない展開に、あたしはただただ嬉しくて頬を紅潮させていた。


「あたし、頑張ってみたいです!」


「そう言うと思ってたわ。これ、コンテストのエントリーシート。来週までに提出してね」


あたしは差し出される用紙を受け取った。


見出しに大きく《第12回西洋菓子コンテスト!》と、書かれている。


横からヒナタが用紙を覗き込み、「すごいじゃん!!」と、興奮したように飛び跳ねた。