「そんな、引け目なんて2人とも感じることないのに……」


悲しそうに言う叔母さん。


「大人は、たぶんそう言うだろうな」


太一が、ボソッと呟くように言った。


「子供のプレッシャー、わかんねぇよな? だから、受験なんてさせたんだろ」


徐々に声音が大きくなり、興奮しているのがわかる。


そんな太一の手をあたしは握り締めた。


「あたし、自分より勉強が苦手な太一をどこかバカにしてた。

それで、困ってるのを見て楽しんでた。性格悪いよね……ごめんなさい」