好きになった人、愛した人。

自虐的な行為をしたら救われるような気がしたけれど、それは大きな間違いだった。


少し気が晴れたのはあたしだけで、周囲はなにもかわらない。


『あんなことして、馬鹿じゃねぇの?』


って、太一が少しでも笑ってくれれば。


あたしをさげすむことで、少しでも前にすすんでくれれば。


そんな事を思ったけれど、実際はあたしがびしょぬれになっただけで、現実は変わらずそこに存在していた。


あたしは誰もいない青いベンチに座り、空を見上げた。