好きになった人、愛した人。

再び太一に声をかけようとしたとき、クルリと向きなおって太一があたしを見下ろしてきた。


その目は、睨んではいない。


昔の、あたしのよく知っている太一の目で、少しホッとした。


「チハヤ」


「な……に?」


「誰のせいだよ」


「え?」


「俺がこうなったのは、誰のせいだよ」