好きになった人、愛した人。

でも、自然と体は助けを求めてしまうんだ。


自分1人じゃ耐えられないと、悲鳴をあげている。


あたしはベッドからゆっくりと起き上がり、のそのそと着替え始めた。


いつまでも寝ていては叔父さんたちに怪しまれる。


まだ誰の顔も見たくなかったけれど、行かなくちゃ。


そう思い、部屋のドアを開けたとき、目の前に太一が立っていてあたしは一瞬にして固まってしまった。


伸びた前髪の隙間からこちらを睨みつける目。