試験の結果は、あたしは合格で太一は不合格だった。


それを見た瞬間の叔母さんの顔。


それを聞いた時の太一の顔。


いまでもそれはよく覚えていた。


口には出さないが、どうして従妹のチハヤにできて、自分の息子にはできないのか。


ずっと一緒に勉強していたのではないか。


叔母さんはそんな表情を浮かべて太一を見ていた。


一方太一はその視線に耐えながら、ずっと唇をかみしめていた。


額には汗が浮かび、呼吸も荒かった。