好きになった人、愛した人。

この中の6畳ほどのフローリングで毎日毎日何かを生み出している人。


それが商品にならない時もあれば、驚くほどヒットしテレビで紹介される時もある。


不安定な収入ながらも、普通に生活ができるくらいの稼ぎがあるのだから、やっぱりすごいと思う。


あたしの声に「少ししたら、行く」と、返事だけが聞こえてきたので、あたしはキッチンへと戻って行った。


叔父さんの言う『少し』は、5分の時もあれば1時間の時もある。


待っていたらキリがないから、そういう場合は先に食べることになっていた。


「哲司さん、 なんて?」


エプロンを外し、自分の椅子の背もたれにかけながら叔母さんが聞いてきた。