その時だった。 急に男の人があたしに迫ってくる。 というよりバランスを崩して、寄りかかって来た。 「きゃっ」 その瞬間ペットボトルが空に舞って、水が溢れてくる。 男の人はあたしに近づいてくる。 「大丈夫…で…」 「無理かも…ごめん…今動けない…」 障害者用トイレの中で男の人に抱きつかれる形になって、身動きが取れなくなっていた。 心臓の動機が止まらない。 あたしまで熱中症になりそう。