次の朝。

お父さんが言った。


「明日、自転車直すから!」


「うん!分かった…。」


もしかしたら?

バス通勤は今日でおしまいかもしれない。


仕方ないのかも。


いまさら嫌だなんて、言えない。


ちょっぴり、淋しい。


「今日、お見舞い行くんでしょ?」


「うん。」


「はい!これ!」


お母さんは、かず君が入院してる部屋番号のメモを私に渡した。


病院に調べて貰ったみたいだった。


私は重い足取りで、バス停に向かった。


いつもと、変わらない朝なんだけど、私の気持ちは淋しさで、いっぱい。


武司君が見えた!


変わらず……


緊張するんだよね!


「おはよう!」


変わらない武司君の笑顔に、ときめくんだよね。


「昨日は、楽しかったね!」


今日でバスに乗るのも、きっと最後だって、思ったら、次々と武司君に話しかけている私。


「明日、自転車直すんだ!」


「よかったね!羨ましいや!
俺、正直バス通勤好きじゃないから。」


「自転車じゃ、遠いの?」


「どの位かなぁ?試した事ないや!」

武司君が、笑った。


「美佐ちゃんて本当、面白いよな!」


そんな事言われると、また頬が赤くなる。


「そういえば、CD持ってきたから!」


「嬉しい!ありがとう!」


私が喜んでいる間にバスが、工場中の道路に入って行った。


また、大きく揺れるバス!


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