「俺そろそろバイトなんだよ!」


渓君が時計を見ながら謝る。


「何やってるの?」


愛子が渓君に質問した。


「レンタル屋だよ!」


渓君は、カラオケ屋から、近くにあるお店でお小遣いを稼ぐ為に、アルバイトをしてる事を話してくれた。


「武司は?」


武司君は、笑いながら、


「やってるよ!」


「何?笑ってるのー!」


「武司!何やってると思う?」

渓君が、私たちに質問した。

二人で、ニヤニヤして気持ち悪いんだけど…。


「分からない……。」

愛子が、真剣に考える。


「パン屋だよ!」

渓君が、笑いながら言った。


「パン屋!!!」


私たちは声を揃えて、


「武司っぽくない!」


愛子も思わず笑った。


そうなんだぁ。

別にいいんじゃない?

逆に関心してしまうんだけど。

「似合わないんだよなー!」


渓君が武司君の制服姿を想像して、言った。


なんか可愛い。


「今日はバイト入ってないんだよ。」


「美佐ちゃんは、なんか?やってるの?それとも部活?」


渓君が言うけど。


バイトも部活も…。

やってなかったりして。


一年生の時は、かず君が入っているバスケ部の練習を、応援しに行ってたから…。


「とくに何も…!」


なんか…。

みんな大人だなぁ。

何もしてない自分に、ため息をついたりして。


「美佐は、お嬢様だからね!」

愛子が口を挟んだ。


「愛子!」


「美佐の家!凄いんだから!」

「へぇー!」


渓君が私を覗きこむ。


「今度さぁ、美佐の家で遊ばない?」


愛子は思いついたように、言う。


「大丈夫かー?急に男が、遊びに行って!」

渓君が、心配気に聞いてきた。

武司君も頷いた。


「大丈夫だと思うよ。」


そして、渓君のバイトの時間が迫ってきて、解散となったんだけど…。

愛子と渓君が同じ方向で!


逆に、私と武司君が一緒で…。

またドキドキしてしまう。


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