〜千夏said〜
図書館に着いて勉強を始めたあたしたち。



2人ともがんばって教科書の問題を解いてる。



那智ちゃんは英語、水沢くんは数学を勉強中。



「なぁ、ここってどうやんの?」



「えっと、ここはねぇ、この公式を使ったら…ほら」



「おー!サンキュー」



「へへっ」



あたしが教えると、嬉しそうに頷いてくれる水沢くんがかわいい。



だから、勉強を教えるのが楽しいとか思っちゃうんだよ。



那智ちゃんは…さすが。



テストの点は平均くらいだからスラスラ解いてる。



すごいな〜。



好きな人のためだったら休みの日にまで勉強しちゃうんだもん。



「水沢できたー?」



「おう」



「どれどれ。ウチが見てあげるよ」



水沢くんと那智ちゃん、楽しそう。



よかった。



ーズキン



…あれ。



まただ。



なんで胸が痛むの?



この病的じゃない痛みは何?



「あ、あたしちょっとお手洗い行ってくる」



「んー、了解」



「OK」



早く、早くここから離れたい。



あんな2人見たくないよ…。



……。



え?



今、あんな2人見たくないって思った?



なんで?



あたしは那智ちゃんを応援してるのに。