「ああ、ようやっとここから物語が始まりますね。え?私は誰か?
『夢朶雨』(ゆだめ)という者です。まあ四郎には愚弄人なんぞと呼ばれていますがね。
さてはて、女慣れしてない四郎に、四郎への気持ち(存在)を忘れてしまったりょーこちゃん。
二人に共通する点は『恋愛初心者』ということです。私が記憶を消す前からあの二人は少なからず互いを意識していたのですが……。
どうにもこーにも、恋愛感情を知らないバカ二人ということですね。
まぁもっとも、私がこれから二人を応援というか、結ばせてみせますよ。
私はこの世界の創造主なのですから。出来ないことはないのです!
それでは」
そう言って愚弄人は、顔を合わせて笑いあう二人の元へと駆けていったのだった。