「おおっ、この子が噂の野良猫ちゃんですね!我が子ながらカワユスっ」


「……。」

「え、……え?」



落ち着いた野良さんを家の中へと招けば、何故かまだ居た愚弄人。

野良さんも困り顔で、僕も眉間に人差し指を置いて溜め息。



「なんでまだ居るんですか…」


「いやあ、これからの為にもちょいと一仕事しようかと思いましてね」


「はい?」



ワケが分からない。

怪訝な顔で愚弄人を見つめていると、ふいに愚弄人が「りょーこちゃん、ちょっとおいで」と野良さんを手招きした。

何をするのかと思えば



「ちょっと失礼」

「あっ……」



ガクンと、野良さんが膝を折って態勢を崩し、そのまま愚弄人の方へと倒れ込んだ。