武道場の真ん中で正座をしている彼女は裂けた竹刀を片手に険しい顔をしていた。 ソッと入ってきた俺にも気付かぬくらいに何かを考え込む沙羅ちゃん。しかし古びた床は俺の体重で『――――ギシッ』と鳴った。 「誰だ!」 背後から迫る怪しげなヤツ(俺)を睨む。しかし俺だと分かると鋭い目付きを少しだけ和らげた。