彼女が男を見て顔を赤らめてることにも驚きだが、この光景がいつも落合が話すものと瓜二つだったことにも驚愕だった。



「(え、妄想じゃねえの?)」



今日は沙羅ちゃんが名前を呼んでくれたとか。可愛く笑ってくれたとか。僕を見て頬を赤く染めて俯いたとか。


――――――全部妄想かと思っていた。



「(まさかの、脈ありですか…)」



もう勝手にやれ。


“じゃれる”落合と沙羅ちゃんを見て溜め息をつくと、テラスから離れて次の授業の教室へと向かった。