──… 結果はボロボロになったけど、なんとか勝った。 覚えてろよ、なんて悪役の捨て台詞を言って逃げていった。 傷だらけだし髪はボサボサになって服なんて砂まみれ。 私が男の子だったらもっと余裕で勝てたんだろうなと思ったら、目から涙が溢れてきた。 「…えっ、ひっく……」 後ろから誰かがいたような気がしたけど、私は振り返ずに水場に行って砂や傷口を洗い、豆腐を買いにいった。