【東高校の転入試験を受けたい】
そうボードに書いてから、おじいちゃんとおばあちゃんの動きが早かった。
トントン拍子に試験の日が決まり、
夕方近くに3人で東高校に行き、
次の日の午前中、
2学期からの転入許可の連絡があった。
一番に知らせたかったのは、
祥太……
祥太が来る夕方、
座って待ってろと言われても、
今日は…無理。
私は、縁側から飛び出し、あぜ道を走り出した。
こんなに思いっきり走ったのは、
……あの日以来だ。
学校に行く道は、
なんとなく覚えたつもりだった。
坂道を下って川に出たら、
川沿いを歩いて橋が見えたら渡って…
橋が、見えたら……
私は走るのをやめて、
橋の手前で、立ち止まった。
祥太が、5.6人の生徒達と一緒に橋を渡っているのが見えて、
祥太と、もう一人は男子で、
後はみんな女子だったから。



