その日の夜、
布団に入っても、いろいろ考えすぎて、
なかなか眠れずにいた。
今までのこと、
これからのこと。
どう考えても、
今のままの自分じゃダメだと思う。
私、強くならなくちゃ……
いつまでもお母さんのことで、引きこもっていても、
何も変わらない。
何も始まらない。
お母さん、
私を残したのは、おばあちゃんの言うとおり、
幸せになれって意味なの?
だったら私、
頑張るよ……
頑張って強くなる。
何を言われても、
負けない強さを持ちたい。
私、強くなりたい……
自分の心が、久しぶりに前向きになっている感じがして、
もしかしたら声が出るかも…と思い、声を出してみた。
「………っはぁっ…はぁ……」
何度やっても、やっぱり息しかでなかった。
悔しくなって何度も出してみたら、息が苦しくなってきてしまい、
布団を口にあてた。
深く息を吐き、気持ちを落ち着かせた。
大丈夫。きっと大丈夫。
いつか必ず声が戻ってくる。
呪文のように何度も心の中でつぶやき、
私は目を閉じた。



