祥太は首を傾げて、空を見た。
【秘密の約束もした】
祥太はボードを見て、また首を傾げた。
「全然覚えてない」
うっ、うそぉぉー!
ちょっと泣きそう……
「うそだよ。覚えているよ」
祥太は、あははっと笑った。
なんだよ、もう!
私がぷくーっと頬をふくらませると、
祥太がその両頬に手をそっとあてた。
「忘れるわけないよ」
両頬を温かい手で包まれて、
ちらっと祥太を見上げると、
祥太は真剣な顔をしていたから、
恥ずかしくなって下を向いた。
「優衣」
呼ばれても、恥ずかしくて顔をあげられなくて、
私は下を向いたまま、
ボードを胸に抱えた。
「明日また学校終わったら、優衣の家行くから」
そっか……明日は夕方まで会えないんだよね。
昨日も今日も、
朝からずっと一緒にいたから、
夕方まで待つのが、さみしい……
毎日会えるだけで嬉しかったのに、
数時間会えないだけで、
ものすごくさみしい。
「俺の高校、来なよ…優衣も」