「約束」涙の君を【完】





祥太、困っている……




【ごめんね】



私が気まずそうにボードを見せると、


祥太はそっとボードを持ち、文字を消した。


「謝ることなんか、何もしてないだろ」



そう言って真っ白になったボードを返してきた。





祥太って、本当に優しい……





私はボードを受け取ると、ポーチにしまい、立ち上がった。



祥太は手を繋いできて、あの頃と違って大きな手に、


きゅんとした。





そして、しばらく歩いた時、


突然祥太が繋いだ手を離した。




えっ……?



何?どうしたの?




私が戸惑っていると、





祥太が私の前に立って、


手を伸ばしてきた。




えっ…………




祥太は私の両肩に手を置いてきた。



その表情は、いつもの、かわいい笑顔ではなくて、



ちょっと、見下すような目で、


私を見つめてきた。




どうしよう……



ドキドキしすぎて、


心臓が壊れてしまいそう……